[特別企画] アンケート座談会(その1)

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社内アンケート「この業界でメシを食うための5冊(プログラマ編)、(ビジネス編)」、「あなたが考える、今年の大きなニュース」について発表してまいりましたが、その中身について、そのへんに転がっていた技術者を2,3捕まえて座談会形式で語り合った内容をお届けします。

やはり「K&R」なのか

柴山: 厳粛な審査の結果座談会メンバーとして選ばれた皆様、お集りいただきありがとうございます。 えー、本日は、事前に社内に向けて出したアンケートをサカナに、いろいろ今年を振り返ってみたいという、つまり「年忘れ座談会」です。 ざっくばらんに忌憚のないご意見をお伺いしたいと思いますのでよろしくお願いします。
 さて、アンケートの中身は「この業界でメシを食うための5冊」、「あなたが考える、今年の大きなニュース」でした。といったわけで、アンケートの結果をつらつら眺めながら推薦図書および重大ニュースなどを勝手にこの場で決めていきたいと思います。 じゃあまずは自己紹介からはじめましょうか。 申し遅れましたが私、司会進行を努めます柴山です。業務としてはWebアプリ中心のプロジェクトを管理したりですね、コードも書いたりですとか、httpd.confを編集したりとかですね、そういう感じです。
いーだそん: いーだそんです。最近はプロジェクト管理屋さん扱いな30代SEです。
K: Kです。主にWebアプリの設計、プログラミングをしたりしています。
H: Hです。20代SEです。だいたいKさんと同じことやってます。
柴山: まずは本ですが、どのジャンルから行きましょうか。
プログラミング関係をあげるひとが多かったですね。プログラミング一般から各言語まで。「プログラミング言語C」が目につくかな。
私も最初はこれを読みましたけどね。K&R
K: 大学時代に教科書として使っていました。
いーだそん: あ、私もK&Rを手にしたのは大学時代です。
K: C言語の基本的な部分を押さえるにはいい本だと思います。 自分もお世話になりました。
H: わたしもです。いーだそんさんに教わりました。 この本が仕様?
柴山: いや難しい本ではないですよ、仕様書のような書き方でもない。
K: ただ簡潔に書かれすぎていて、理解しづらいところもありますね。
いーだそん: K&Rを手にしたときにはまだCは知らなくてPascalをやってたので、なんだかわかりにくいなぁと思った記憶があります。
H: 新人君たちを見てると、研修でJavaなんかでオブジェクト指向などなどを短期間だけ勉強するよりもC言語なんかで基本からやったほうがよさそうな気がする今日この頃です。
配列とハッシュの違いがよくわからない。。。とか言われても。
柴山: ただ、オブジェクト指向をあえて難しいもの、あとで学べばいいものかというと…最近のネットでも「いまでもCを最初にやればいい?」といったあたりが話題になったりしてました。
304 Not Modified: プログラミング初心者はギークから学べるのか
404 Blog Not Found:いきなりCの方がよっぽど難しい

言語遍歴

H: 私は入社してからプログラム始めたんで、Pascalとか知らないです。C→Perlと育ったが、皆さんは?
柴山: 私は最初Cで、その後Sやらなにやらいろいろで今に至るという…Pascalはないですね。
いーだそん: 私はBasicです。PB-100のって誰も知らないか。ポケコンです。小学2年生くらいかな?
その次がMSXでBasic。で中学3年の時にN88-Basicを学校で。大学では、Pascalの後、Cとアセンブラ。
柴山: ああ、Basicが最初だったか。N88-Basic
K: 大学時代はFortranとか使っていましたけど、今は全く使ってないですね。 N88-Basicは私も少しかじりました。 仕事ではC以外だとPerl,PHP,VBAとかですかね。
H: うちの会社で開発で使用している言語って何種類ぐらいになるんだろう?
柴山: かなりありそうですね。JavaScriptなどもあるし、SQLやらHTMLも言語に含めるなら…。
シェルスクリプトが一番役に立ったかな。そういえばシェルについてあげてるひとがいなかったけど一番「メシを食うために役にたった」気がするのだけど。
いーだそん: あ、シェルはそうかも。ちなみに続・たのしいUNIX―シェルへの招待で勉強しました。
K: シェルスクリプトはいろんなシーンで使いますね。

Perlおすすめの理由

柴山: Perlは強いですね、らくだ本をあげたひとが5人。
C: 9冊
Perl: 7
SQL: 3
Java: 2
JavaScript: 2
PHP: 1
いーだそん: 自分はExcelとかの操作があんまり得意でないので、なんでもPerlで処理しちゃいます。Web開発の人でなくてもPerlは便利なのでは?その意味ではプログラミングPerlは手元に置いておきたい1冊ですね。
らくだ本は見易いですよね。あと枕にしたりとか何かと便利。
K: 2冊に分かれたので、高さ調整も楽ですね。
H: 若干、固いっす
いーだそん: 使いこめばやわらかくなるです。
柴山: 漬物とか押し花作るときにも便利ですね。
というわけで、プログラミングPerlおすすめです。

「何の言語を勉強しておけばいいんですか?」

H: たとえば最近、学生の就職活動の説明会に参加したとき学生に何の言語を勉強するんですかって聞かれたなんて答えるべき?
いーだそん: 何でメシを食うのかというので変わってくるのでは?で、「Cでメシは食べていませんが、考え方の基本になった」とかは多いかもしれませんね。
柴山: たぶん、実際に我々がいまプロジェクトで使ってるのといえば…Perl、Java、C#…
H: みんなが読んだ方がいいって言ってる本を見ると、C、Java、Perl、PHP、Javascriptなのかしら。
柴山: ただ、どの言語をやればいいかと聞く学生さんの気持ちもわかるけど、「どれかの言語をやればなんとかなる」という発想がちょっと違うかなと思います。
H: それはそうだと思います。
柴山: 仕事になればPythonだろうがBasicだろうがHaskellだろうがやらざるを得ないので。まあHaskellの仕事なんてそうそうないでしょうが。
いーだそん: 学生のうちは、言語もそうですが、メモリってなんじゃろ?とかそういうのを齧っておいた方がいいのでは?そういう意味で、いろいろ壊せるCはおすすめなのではないかと。
柴山: ということで、重要になるとしたら「プログラミング全般」のほうかな。アルゴリズムとデータ構造など9冊ほどあげられてますね。
 

管理職の書籍

柴山: 技術職ばかりの顔ぶれだけあってプログラミングの話題がつきませんが、先に進みましょう。プロジェクト管理、ビジネス書関係も多いですね。
K: このあたりの本はプロジェクトリーダーの方とかがあげているんですかね?
柴山: でしょうね、管理職系。
H: ビジネス本は私も読むけど。好きだから。管理系は嫌い。
いーだそん: 実はあんまり読んでないんですよ。って管理職ではないんですが。
柴山: ただ、ここであげられているのを見ると、人間関係、コミュニケーションがテーマになっている本が多いですね。提案・要件定義などもありますが。
いーだそん: 私の場合、当たって砕け散って構築されてますから、本で体系的に勉強はあまりしてないんですよ。PMPの本とかはある程度身についてから読みましたけど。 立ち読みしていると面白いのとそうでないのがわかるようになってきたかなぁというところ。個人の主観もありますが。
柴山: 日々目の前に投げられる課題をクリアしていくので精いっぱいですが、やっぱり読んでいるひとは読んでいる。
「メシを食うための」という聞き方をしたので、生活系ももうちょっとあるかな、と思ったんですが、一冊だけですね、料理関係のが。
いーだそん: ドラッカーはブームみたいですね。手にしやすいです。立ち読みすると疲れますが。料理関係はこの業界だとDSのソフトで皆さん対応しているのではないかと。。。
柴山: ああ、「お料理ナビ」

本を読む意義

いーだそん: 「メシを食うための本」ということですが、これからの人と、今食べている人でいろいろ相違があるのでは?
柴山: まあそうですね、基本的には「あなたがいま食べていられるのはどの本のおかげ?」という質問ではあるので、新人のひとは答えにくかったのではないかな。
いーだそん: 言語を知らない人はC関連の本やアルゴリズム本、プログラミングで食べかけの人はリファクタリングやらの本、PMになってくればプロジェクト本、ってところですかね?
柴山: いや、そうとも限らないでしょう。ベテランプログラマが「プログラミング言語C」をあげているわけですから。
そもそも、このインターネットの時代、本を読むことの意義についてはみなさんどう思いますか。たとえば、プログラミング言語にしても本を読む前にGoogleでなんとかしちゃうひとも増えているようです。
いーだそん: 目の前の課題をその場しのぎで対応するのがどっちかというとインターネットちっくで、そもそも根本的にどうすればいいのか知識を身につけるのが本ってところでしょうか?Webで知識が身につかないとは言いませんが、本の方がいいというのも多いです。
K: ちょっとした調べ物ならネットを検索すればいいかもしれませんが、1から学んでいくという点では本の方がいいかなと思います。
いーだそん: より良いガジェットが出てくる可能性は高いですが、やはり画面より紙という人もまだまだ多いですし。
K: はい、画面より紙派です。
柴山: 物理的な問題はあれ、オンラインでもいいと思うんですよね。情報量としては本と変わらないのであれば。むしろネットのほうが情報はたくさんある。
ただ、今新人の「すぐググっちゃう」ひとたちを見ていると、オンラインで情報を得るにしても、見る絶対量が少ない。
いーだそん: 確かにそうですね。ネットは精度良く検索できちゃうから。起承転結をすっ飛ばして、結の一部をさくっと見ることができてしまう。
柴山: 本一冊分に匹敵する情報量のオンライン情報を拾っているかというと、それは難しい。 本だって、検索性は悪いけど飛ばし読みできるわけですからね。 だから、もっとアンテナを広げてたくさん情報をネットから拾えるようにしておくか、さもなければまずは情報がひととおり固まっているはずの本を読む、というのがひとまず現時点ではいいのではないかと。
H: 飯を食いたければ本は読むべし!

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