[ゲームのアルゴリズム] 時間切れ負けとユーザインタフェース

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やや今さらな感もありますが、第2回大和証券杯ネット将棋・最強戦は、渡辺明竜王の優勝という結果になりました。しかし、本棋戦でインパクトがあったのは、やはり羽生5冠(当時)の時間切れ負けでしょう。「着手したあと、確認のダイアログが表示されている間に時間が切れてしまった」というのは、ユーザインタフェースに問題があったと考えられるでしょう。ではどういうインタフェースが良いのでしょうか。いくつか考えてみました。
  • 個人的には、確認のダイアログはなくてもいいような気がします。厳しい持ち時間制限の中で入力を行わなければならない将棋のようなシステムには、確認のダイアログはマッチしないように思えます。考えてみれば、Windowsについてくるマインスイーパやフリーセルのようなゲームだって、操作のたびに確認を要求してくることはありません。とはいえ、操作ミスが怖いので着手の確認をしたくなるという気持ちもわかります(特に、操作に慣れていない場合)。
  • コンピュータ将棋協会blogで紹介されている、「時間が切れると自動的にOKボタンが押されたことにする」という案は、即効性もあり、いいアイデアに思えます。とはいえ、なかなか類を見ないインタフェースなので、本当に使いやすいかどうか、検証してみる必要はありそうです。
  • いずれはタッチパネルか何かで、もっと使いやすいシステムを実現してほしいものです。
  • USBチェス盤の将棋バージョンみたいなものが出ると面白そうです。将棋倶楽部24あたりが対応してくれたら、自分でも使ってみたいところです。しかし、「相手の駒を自動的に動かす」などの機能がないと、ネット対戦に使うのは難しそうです。他にも、「持ち駒は正しく扱えるのか」とか「持将棋の宣言はどうするのか」とか「投了のときはどう操作するんだろう。投了ボタンがあってもいいけど、何か味気ない」とか「加藤一二三九段のパワーに耐えられるのか」とか、いろいろ問題は考えられます。

また、対局ソフト自身の改良だけでは済まない問題もたくさんありえます。
「突然、ウィルス対策ソフトのダイアログが表示されてしまう」とか「Windwos Updateが自動的に行われて勝手にパソコンが再起動してしまう」など。
こういった問題に対しては、対局するパソコンの環境を細かに規定するなど、ルールの整備が必要であるように思います。

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