[ゲームのアルゴリズム] 第18回世界コンピュータ将棋選手権

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カテゴリー「ゲームのアルゴリズム」では、これから数回にわたり将棋をはじめとしたコンピュータゲームに関するトピックを扱っていきたいと思います。

今回は第1回目ということで、先日行われました第18回世界コンピュータ将棋選手権の感想について述べたいと思います。

今回の結果、1位「激指」2位「棚瀬将棋」3位「YSS」3位「Bonanza」4位「YSS」ということで、それぞれアルゴリズムの異なるプログラムが上位に入賞したのは、興味深いことでした。
(訂正:3位「YSS」となっていましたが、正しくは3位「Bonanza」4位「YSS」でした)
すなわち、
激指…実現確率探索[2]
棚瀬将棋, Bonanza…全幅探索と自動学習[3][4]
YSS…古典的な部分探索[5][6]
今後もこれらのアルゴリズムが群雄割拠するのか、どれか1つのアルゴリズムが抜け出すのか、次回の大会も楽しみです。

個々のアルゴリズムの詳細については、参考文献をご参照ください。

また、今回は、初めてFPGAを採用したプログラム[7]が出場していたのも興味深いことでした。チェスのDeep Blueのように、将棋専用のハードウェアを使用したプログラムの登場にも(費用面での困難さなどあるかと思いますが)、期待したいと思います。

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参考文献
[1] 第18回世界コンピュータ将棋選手権, http://www.computer-shogi.org/wcsc18/ .
[2] 将棋プログラム「激指」のページ, http://www.logos.t.u-tokyo.ac.jp/~gekisashi/ .
[3] 2007年コンピュータ将棋選手権準優勝記, http://tanase.yasushi.googlepages.com/2007csa .
[4] 保木, コンピュータ将棋にける全幅探索とfutility pruningの応用, 情報処理2006年8月号, p884 - 889, 情報処理学会, 2006 .
[5] YSSと彩のページ, http://www32.ocn.ne.jp/~yss/index_j.html .
[6] 山下, YSS - 『コンピュータ将棋の進歩2』以降の改良点, コンピュータ将棋の進歩5, p1 - 32, 共立出版, 2005 .
[7] A級リーグ指し手1号, http://aleag.cocolog-nifty.com/ .

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